商店街活性に取り組む衣笠仲通り商店街協同組合の理事長を務める 木継 芳孝さん 舟倉在住 63歳
起死回生策で見出す活路
○…昭和30年代、衣笠商店街の賑やかしで通りを本物のゾウが歩き、買い物客の目を楽しませた。それから50年以上あと、現在アーケードにはカラフルな風船で作られた動物たちが並び、再び来街者の注目を集めている。これは集客に苦しむ商店街が活性化事業として取組む『衣笠ワンダーランド計画』の一策だ。「現状打破には思い切りが必要だからね」。イベントの斬新なセンスは時を越えてもDNAとして受け継がれている。
○…印章店の2代目。今日まで45年間、衣笠商店街の栄枯盛衰を見続けている。約30年前までは長井や三浦市、葉山方面からも買い物客が押し寄せ、1日中賑わっていた。しかし、景気低迷とともに周辺にあったボーリング場や映画館などの娯楽施設は消え、街を闊歩する若者の姿は減った。その間、顔なじみの店は店主の高齢化により次々と廃業。「消費者も商店主も若年層が集まりたくなる仕組み作りを考えなければ」-。自身も3人の息子を持つが後継者はおらず、危機感は人一倍感じている。
○…「肝心なのはイベントを実施することでなく、集めた客足を売り上げにどう繋げるか」と語気を強める。ただ待っているだけの商売はもはや昔。来年4月の消費増税も決定し、攻めの姿勢は不可欠になる。高齢者への共同宅配や夕方市の開催などたとえニッチな事業だとしても「商店街を頼ってくれる人がいるならば期待に応える努力をしたい」と今後の展望を述べた。
○…幼い頃、母親に手を引かれて衣笠商店街に買い物に来た記憶は今でも鮮明に覚えている。たまに立ち寄る甘味処のお菓子が目当てで一緒に出掛けたが、威勢のいい掛け声と熱気で満ちた通りに一歩入っただけで無性にドキドキワクワクしたものだと懐かしむ。そんな体験があるからこそ、今めざす目標は至ってシンプル。「また行きたい」と思える空間を作ること。青写真の準備は万端。次は実行に移す番だ。
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