修学旅行生などを地域の一般家庭で受け入れる「民泊事業」の推進に力を注ぐ 龍崎 定夫さん 長井在住 68歳
長井が動き出している
○…「豊かな自然と地域に根付いた一次産業の体験。この2つを切り札に修学旅行生を迎え入れる」。2年目を迎えた長井地区の「民泊事業」が軌道に乗り始めた。今年度はすでに4校の受け入れが決定。先ごろはインドネシアの高校生約40人が地域の一般家庭11軒に分宿し、草の根の国際交流を行った。「ホテルなどの宿泊施設がなくても観光客を呼び込むことができる」。事業の推進役として手ごたえを感じ始めている。
○…旅行会社の営業担当から提案された地域活性化のアイデアだった。突拍子のなさに戸惑う人は多かったが、一次産業頼みの経済構造の転換に「これしかない」と飛びついた。協力者を求めるポスターに記したのは「何もしなければ街はどうなる」。地域全体で新しい産業を生み出す必要性を熱心に口説いてまわった。現時点で民泊の受け入れ家庭は45軒。当面の目標はこれを100軒まで伸ばし、300人の受け入れ体制を整えることだ。
○…海や畑での収穫体験に家事手伝い。普段のありのままの生活が「民泊」の醍醐味となる。年配者のひとりはインドネシアの学生に浴衣を着せたい、と箪笥の中の浴衣を引っ張り出し、待ちわびた様子で準備していた。そんな姿を垣間見て、「自分が楽しいからこそ、相手も楽しく思える」と確信。長井流のもてなしを地域に根付かせていくことをめざす。
○…現役時代は実業団のバレーボール選手として活躍、全国優勝も経験した。練習と試合に明け暮れる日々で、地域に目を向けるきっかけとなったが中学校のPTA活動。役員になったのを機に、荒れていた学校の鎮静化に乗り出した。以来、地域活動がライフワークに。長井の中で560世帯ある井尻地区でボランティアサークルを立ち上げ、町内会館で高齢者や子育て世代の交流の場づくりに力を注ぐ。傍らにいた夫人が一言。「頼られると期待に応えたくなる人なんです」
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