横須賀版 掲載号:2015年7月10日号
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高校野球神奈川大会で釜利谷・三浦臨海・横須賀明光高の合同チームの監督を務める 田沼 宏友さん 平作在住 35歳

”一球(いっきゅう)集心(しゅうしん)”でもぎ取る1勝

 ○…明日、開幕を迎える第97回全国高等学校野球選手権神奈川大会。出場186チームの中で唯一、3校合同チームの監督として指揮を執る。人員不足、練習環境、コミュニケーション、戦術―他校にはないハンデは山積。「それでも選手たちに勝つ喜び、高校野球の醍醐味を伝えたい」。統率する難しさを抱えながらも前向きに語る顔は清々しく困難をも楽しむようだ。

○…野球好きの家族と友人の影響で小学4年の時に地元チームに入団。白球を追いかける楽しさに目覚めた。高校で肩を傷め、一度はグランドを去ったが情熱は消えず、父と兄と少年野球チーム・若竹ライナーを創設。これが指導者人生の第一歩だ。現在、三浦臨海高校の監督を務めて2年目。着任後「本気で取組む環境を」と規律や練習など指導方針を一新。10人前後いた部員は、ひとりまたひとりと減り2人になった。人を育てることは難しいと痛感した。指導者のあるべき姿とは何か―模索の日々が続く。

 ○…スポーツ刈りと日に焼けた肌、まっすぐな野球愛。野球少年をそのまま大きくしたようだが、実は元お笑い芸人という異色の経歴の持ち主。元来、人を笑わすことが好きだったことから大学卒業後に芸人を志し吉本興業の養成所へ。コンビで活動していたが、暫くして母校の統廃合と監督で恩師の異動の話が浮上し、「指導しないか」と声が掛かった。「恩師が築き、自分の根幹となった野球部が人手に渡ることは想像できない」。迷いもあったが相方の快い応援もあり後継者として手をあげた。

 ○…若き闘将の精神的支柱は恩師の「一球集心」という言葉。”全員の心を集めて、大きな力を発揮する”。チームスポーツの本質を捉えた何気ない一言だが、奇しくも団結が求められる合同チームを率いる自分にエールを送ってくれている気がした。一戦必勝。悲願の勝利に向けて、まずは13日の初戦、川崎市立川崎高との試合に集中する。

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