小・中の教師を中心とする「教育サークル三笠」を主宰する 清田 直紀さん 衣笠中教諭 41歳
自己の成長「学ぶしかない」
○…理想に燃えて教育の世界に飛び込んだ若い教師が、現実の壁にぶち当たり疲弊していく―。未熟な授業に荒れる教室。生徒や保護者と距離の取り方が分からず右往左往。同僚や管理職との人間関係にもがき苦しむ。自信を失って心を病む人も少なくない。現場で目にするのは、かつての自分の姿。状況を改善する唯一の方法は、「自分で自分の力を高めるしかない」。教師が互いに切磋琢磨し、刺激を与えあえる場所。同じ想いを抱く仲間たちと「教育サークル三笠」を立ち上げた。半年が経過した今、教師だけでなく、民間の教育事業者や起業家、議員も顔を出す勉強会に発展。その輪が広がりつつある。
○…大学院を卒業後、赴任した学校で強烈な洗礼を受けた。「授業崩壊に学級崩壊」。振り返れば、社会経験の乏しさが原因だったが、「うまくいかないことを周囲に求める自分がいた」。3年間の我慢の末に辿り着いた結論が、「生徒を納得させるプロの教え方」。全国で1万人の教員が参加する研究組織に出向き、技術取得に励んだ。
○…公立中学校に硬式テニス部を設置する活動もライフワークのひとつだ。世界のテニス事情は硬式が主流。「多くの公立中学校では、軟式テニスしか経験できない」。民間のテニススクールと連携して体験会を開くなど、部活動の新しい在り方も模索する。思考停止からは何も生み出す事は出来ない、というのが持論。自分の信念に従って行動する人だ。
○…「三笠」の主催で今週末、現場教師とフリースクール運営者が本音をぶつけ合いながら、不登校や日本の公教育について考える勉強会を開く。保護者や一般にも門戸を開き、議論を深めるという。どんな解決策があるのか。化学反応を期待している。
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