「努力は才能に勝つ」
○...頭一つ抜けた打点の高いヘディング、相手のチャンスを潰すパスカット、空いたスペースを見逃さない絶妙なスルーパス。全国大会で攻守にわたる圧倒的な存在感を示したが、2回戦で惜しくもPK負けを喫し大粒の涙を見せた。「空中戦で競り負けた局面はなかった」。強い語気の中に悔しさを滲ませる。
○..."超高校級"と称される大型ディフェンダー。飛び級でU―22日本代表に選ばれており、昨秋行われたアジアカップ予選カンボジア戦では、センターバックとしてフル出場。相手を無失点に抑え、勝利に大きく貢献した。187cmの長身を活かした強靭なフィジカルと抜群のサッカーセンスで、福島の名門校を牽引。県予選決勝では左足で劇的なゴールを決め、2大会ぶりとなる大舞台へと導いた。「優勝争いのダークホース」の中心選手として注目を浴び、トレードマークのアフロヘア―をなびかせ、スタジアムを沸かせた。
○...米国人の父と日本人の母の間に生まれ、バスケ、水泳、ピアノなど持ち前の集中力で器用にこなした。サッカーを始めたのは長沢中入学後で競技歴は6年に満たない。「周囲は経験者ばかりで劣等感があった」。部員に迷惑をかけまいと、日夜グラウンドで汗を流した。すると素質が萌芽。中3でクラブチーム・FC湘南ジュニアユースへ。のちに尚志関係者の目に留まった。「コーチや監督のアドバイスを自分の中で噛み砕き、課題に対して挑戦し続けてきたから成長できた。努力は才能に勝つ」
○...進学はせず、プロ入りをめざす。最終的な目標は「欧州チャンピオンズリーグ優勝」。キリリと結んだ口元が凛々しい。2024年パリ五輪では、日の丸を背負い、世界を席巻するシーンが見られるかもしれない。
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