神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀版 公開:2011年7月8日 エリアトップへ

水辺生態系の保全活動に取り組む「三浦半島田んぼプロジェクト」の共同代表を務める 天白(てんぱく)牧夫さん 阿部倉在住 25歳

公開:2011年7月8日

  • LINE
  • hatena

「復田」その先の願い

 ○…緑が広がる長沢の一角で先月、泥まみれになった子どもの歓声が響いた。手には稲の苗。「どうやって植えるの?」と質問攻めにあう。ここは数年前まで休耕田だった。地権者の理解を得て開墾し、田んぼを復活させたのがプロジェクトのメンバーだ。田植え体験イベントには100名が参加する盛況ぶり。だが復田はあくまでも手段で、目的ではない。水田生態系の復活こそが、目指すべき所だ。

 ○…「小さい頃、近所のしょうぶ園に虫取り網を持って遊びに行きました」。季節は秋。一度に20匹のトンボを捕まえた光景が鮮やかに蘇る。ふいに、表情が曇る。「それがいつの間にかパタッといなくなったんです」。埋め立てや開発による水田の減少に伴い、三浦半島ではこの50年でカメ、メダカ、カエルなど田んぼをより所とする生き物が激減した。実体験でも感じた。水辺の生態系を守るにはどうすれば良いのか。導き出したひとつの答えは、「田んぼが復活すれば彼らも戻ってくる」ということだ。

 ○…運命的な出会いもあった。池上中2年の時、市立博物館初代学芸員でもある柴田敏隆さんの講演会が校内で行われた。自然や動物と会話する柴田さんの話は「衝撃でした」と振り返る。以来、毎週のように柴田さんの自然観察会に同行。また仲間同士で生き物調査にも乗り出した。もはや「三浦半島で歩いていない緑は無い」という。現在は環境学習の講師として後進の育成にあたるほか、日本大学大学院で両生類や爬虫類の緑地環境での”生き様”を専門に研究している。

 ○…三浦半島の田んぼのシンボルを教えてくれたのは、「夢」を尋ねた時。生態系のトップでもあるサシバ(タカ科)は10年前に姿を消したという。狩りの縄張りとなる田んぼが無いと判断されたからだ。「ここに住んでやってもいいかと思わせたいですね」と、意思疎通したかのように語る。課題は山積み。責任も重い。だが、選んだ道に迷いは無い。
 

本まぐろ直売所

4/26~5/6は休まず営業、毎月第2・4土日は特売日!

https://www.yokosuka-honmaguro.com/

<PR>

横須賀版の人物風土記最新6

鶴 ジュンさん

長井の活性化イベント「浜と丘とマーケット」を主催する

鶴 ジュンさん

長井在住 54歳

4月26日

三木 真理子さん

「関根川〜相模湾海中 水の輪つなぎ活動:chotto」の代表を務める

三木 真理子さん

秋谷在住 

4月19日

今野 睦夫さん

横須賀市ラジオ体操連盟を設立し、会長に就任した

今野 睦夫さん

二葉在住 82歳

4月12日

美里 芽玖(みさと めぐ)さん

ピアニストとして地元で初のソロリサイタルを開く

美里 芽玖(みさと めぐ)さん

平成町在住 22歳

4月5日

佐久間 大輔さん

大阪市立自然史博物館の学芸員を務める

佐久間 大輔さん

三春町出身 56歳

3月29日

新谷 健(たけし)さん

娯楽劇を演じる市民劇団「浜の隠居の会ぷらす」の代表を務める

新谷 健(たけし)さん

鴨居在住 68歳

3月22日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月26日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

横須賀版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月28日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook