明日18日にチャリティーコンサートを開催する「うわまち教会建物応援団」の事務局長 岩崎 よし子さん 舟倉在住
建物はまちの語り部
○…国の登録有形文化財に指定されている横須賀上町教会(めぐみ幼稚園)。1931年に建築された歴史あるこの教会を保存・活用しているのが「応援団」だ。自身も含めて、メンバーはクリスチャンというわけではない。当時の洋風建築やアーチ窓などの「建物」に魅せられた人たちだ。「教会の建物を応援する」という思いは、グループ名にも表している。
○…横須賀の建築物に目を向けるようになったのは、15年以上前。建物から地域を探ろうと、仲間とともに調べるようになった。長浦の旧海軍関連施設、猿島の電気燈機関室、市内の老舗商店や民家…。現地を取材し、資料や情報は足で稼いで集めた。時代背景や風土が分かるのはもちろんだが、それ以上に人間の歴史が見えてくるのが大きかった。建てた人の思い、繁盛していた店の様子。「人がいてこその建物だと思っています」。その思いは、今の活動にもつながっている。
○…グループの仲間がめぐみ幼稚園の卒園生だったことが縁で、上町教会と関わるようになった。2005年に「応援団」が結成されると、落語やコンサートなどのチャリティーイベントを教会で開催。その入場料を老朽化した建物の補修費などに充てている。父兄と協力して草むしりをするなど地道な活動も行う。「上町の近代のランドマーク」と表現する教会。単に保存するだけではなく、どのように存在を知ってもらい、活用できるのかを模索する。
○…由緒ある純和風のたたずまいを残している―。「市内で上町教会のように注目している所は?」と尋ねると、ヒントを教えてくれた。今はまだ明らかにできる段階ではないというが、まだまだ横須賀には魅力あふれる建物が多い。「(建物は)まちを見てきた語り部だと思います。メンテナンスをして、長生きしてくれたら」。人のことを語るように、建物を語る。その様子に、どちらも生きているのだと気づかされた。
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