4月12日から横須賀美術館で所蔵品展を行う 広瀬 美帆さん 横須賀大津高校出身
絵の存在が子育ての励み
○…開館以来、企画展には娘と欠かさず来ていた横須賀美術館。「こういう場所で展示できたら」という、ひとつの目標が叶った。「横須賀に暮らす両親が一番喜んでいるかも」。海を臨む、開かれたロケーションの美術館で、初めての作品展に期待を膨らませる。
○…絵を描くのが好きな女の子。それを一生の仕事にできるのは一握りだ。横浜で生まれ、中学入学と同時に横須賀へ。美術部がなかったため、絵が描ける環境を求めて、友人と同好会を立ち上げた。そして高校生の時、美大専門予備校という存在を知る。「こんな世界があるんだ」。美大を目指し課題をこなしていたが、その時々で気に入った画家の絵に影響を受けてしまい、自分の画風が決まらなかった。そこで講師に紹介されたのが、フランスのヴュイヤールという画家。平面でとらえる作風に「これだ」と描くべき方向性が見えた。「将来、絵を続けるための技術」と教えられたものだったが、その出会いが、今の自分の基盤だ。
○…美大の大学院を卒業後、画廊で働きながら創作活動を続け、20代後半から毎年、個展を行っている。「5年後10年後、続けていける画家に―と引っ張ってくれた。個展という目標が意欲につながった」。臨月まで絵筆を持ち、この春小学1年生になった娘が新生児の時は、油彩絵の具の影響を考え、水彩画で創作。初めての子育てで悩むことも多かったが、子どもが寝静まると、自然と絵筆を手にしていた。「絵があったから子育ても乗り切れた」と振り返り、創作の場がある”幸せ”を噛みしめている。今は、油絵に興味を持ち出した娘と、一緒に絵を描いたり、工作をするのが貴重な親子のひとときだ。
○…シンプルで独創的な画風のヒントになっているのは、日常で自分が目にするものばかり。主婦・母親として、生活と密着しているからこそ描ける視点がある。その世界観の広がりは無限大だ。
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