第35回全国中学生人権作文コンテスト県大会で最優秀賞に選ばれた 菅原 汐李(しおり)さん 港が丘在住 15歳
言葉の重み 胸に
○…「気持ち悪い」。小学生の頃、首に残るアトピー性皮膚炎に対してクラスメートに言われた一言。たった6文字の言葉は、相手にとっては何気なかっただろうけれど、家で一人きりになると涙があふれ出した。10年たっても胸に残る体験と友人との交流を、5枚の原稿用紙にしたためた。8万5千を超える応募作品の中から最優秀賞に選ばれ、中央大会では奨励賞に輝いた。「賞はもとより、自分の思いがたくさんの人に伝わったことが嬉しい」
○…夏休みの課題として出された、人権作文コンテスト。普段意識することないテーマについて、自身の経験と照らし合わせた。思い出したくない過去だったが、書き終えると不思議と心がすっとした。母親は自身に対して「申し訳なさ」を感じながらも、おめでとうと言ってくれた。成長につれ症状は軽くなっているし、今はまったく気にしていない。「お母さんも気にしないでほしい。楽になってほしいと思う」
○…ツイッターやLINEなどのSNSが普及し、その気になれば気軽に世界中の人とやり取りできるようになった。一方で、「死ね」「消えろ」といった辛辣な言葉も画面上に流れてくる。ノリや冗談かもしれないが、もし気分が落ち込んでいるときに目にしたら…。誰かが言われているのを見聞きしただけでも嫌な気持ちに包まれる。そういう自身も、友人との些細ないざこざからつい相手を傷つける一言を言ってしまったことがあった。今は口に出す前に「相手がどう受け取るかしっかり考える」
○…田浦中音楽部では部長を務めた。人前で話すのは苦手だが、人と向き合うのは好き。介護職や父親と同じ食品メーカーの営業職にも興味がある。悲しみの胸中から救ってくれたのは、同じ悩みを持つ友人の「大丈夫」という言葉。雨雲が晴れていくようなその魔法の一言に、いつかは自分も、誰かを支える存在になりたいと思っている。
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