ジャズトランペッターとして、今月3日に行われる「ヨコスカ トモダチ JAZZ 2016」に出演する 岩嵜 香織さん 武出身 38歳
「高めるよりも、広げる」
○…戦後に花開いた”基地文化”の象徴とも言える「横須賀ジャズ」。これを再燃させようとする動きが市中で広がっている。市民有志が企画した一大ジャズフェス「ヨコスカ トモダチ JAZZ 2016」。地元出身のトランペッターは、女性のみで編成する即興ユニットでステージに立つ。今回、出演のオファーは二つ返事で引き受けた。「『街がジャズで溢れる─』。このキャッチコピーに共感を覚えました」
○…「目立ちたがり屋が手にする」というトランペットに、初めて触れたのが小学5年生。中学ではブラスバンド部に所属。メキメキと腕を上げ、高校時代は
プロのジャズミュージシャンに請われ、バンドの一員としてダンスパーティなどで演奏活動を展開するようになった。親子ほど年齢の離れたメンバーの中で紅一点の女子高生。異色の組み合わせは、ジャズの衰退とともに出番を失っていた。
○…キャバレーで演奏した最後の世代だ。大先輩のバンド仲間から聞かされた狂騒時代とはほど遠くも、「往時の熱気の残り香は感じることができました」。廃屋と化していたEMクラブの最後にも立ち会った。今まであまり意識することはなかったが、「体験としての『横須賀ジャズ』を語れることの貴重さにあらためて気づきました」
○…現在の活動の中心は横浜や都内のライブハウス。地元では演奏機会が少なく、自然とそうなった。今回のイベントなどをきかっけに、新しい動きが始まることを期待してやまない。ジャズトランペッターとして勝負し続ける一方で音楽家として、別の可能性にも挑み始めている。少年院の出所者が暮らす施設や病院の小児病棟などで演奏を通じて心を開放させる音楽療法にも興味を寄せる。自分のための音楽から、他者に向けた音楽に脱皮しつつあるという今の心境を「高めるよりも、広げる」と表現。「音楽のチカラを追求しています」
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