年頭に当たり本紙では黒岩祐治知事にインタビューを行った。黒岩知事は本年策定の新総合計画の方向性について語るとともに、デジタル行政の推進に意欲を示した(聞き手・熊坂淳)。
――2040年を見据えた新たな『総合計画』を策定中です。
「総合計画は県のこれからの羅針盤となるもので、これまで取り組んできた”いのち輝くマグネット神奈川”をさらに発展させていくことが基本となります。人口減少社会に入り、高齢化もさらに進んでいく時代状況の中でどのように神奈川県の活力を維持していくか、そういった視点に基づき計画を策定し、お示ししたいと思います」
――活力ある地域の創出に向けどのような施策を進めるのでしょう。
「例えば、移住政策があります。県ではこれまで”ちょこっと田舎でオシャレな神奈川ライフ”をキャッチフレーズに、神奈川に住み、そこで働く魅力といったものを発信し続けてきましたが、こうした施策をさらに推進していきます。それと観光政策ですね。”行ってみたい神奈川”の魅力づくり施策を進め、回復基調にあるインバウンド需要の取り込みを図るとともに、有名観光地に集中しがちなお客様に対し、神奈川では様々なエリアで色々な楽しみ方ができますよ、という周遊観光の魅力を強調していきたいと思っています」
――24年の新たな取り組みをお聞かせ下さい。
「”県民目線のデジタル行政”を進め、それを一つ一つ形にしていきます。例えば、子育てに関し無料通信アプリLINEを活用した『子育てパーソナルサポート』を展開します。夜中にひきつけを起こした、熱を出した、といった一人一人の異なる不安に対し、的確なアドバイスを図るものです。それから防災DXですね。これもデータ統合連携基盤といったものをずっと構築してきましたから、これなども具体策のひとつです」
――神奈川版ライドシェアの導入を検討しています。
「観光地や人口が減少しているエリアでは、夜間タクシーが全然つかまらない、移動手段がないといった地域課題があります。それに対応した仕組みが神奈川版ライドシェアで、デジタルの力も借りて一般ドライバーが自家用車を使って利用者を輸送するというものです。現在、三浦市での実証実験の実施に向けた調整を進めていますが、『地域・時間帯限定』、『タクシー会社と連携』が原則になっています」
――導入には不安を持つ方も多いです。
「一般ドライバーといっても誰でもいいというわけではなく、タクシー会社が適正者を選び、トレーニングをし、管理を行うといった形で安全面を確保して運行されるもので、今のところ基本的にはタクシーと同料金にしようと考えています。保険の問題などもあり研究は必要ですが、この実証がしっかりできれば全国に広がる可能性があると思っています」
――県民の皆さんへの新春メッセージを。
「昨年はコロナの影響をまだまだ引きずっていましたが、24年はコロナを脱した時代となります。皆さんの中でたまっていたエネルギーを一気に爆発させていただきたいなと思っています。デジタル革命という流れがある中でそういう時代を迎えるわけですから、大きな変化にうまく乗り、それを楽しんでいただきたいですね」
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