礼儀作法の入門講座「くらしに役立つふるまい」を1月から開講する 山内 玲子さん 上大岡東在住 67歳
礼儀作法は気持ちから
○…「大事なのは気持ち。気持ちがあれば自ずと形に表れる」。目配せをする行為も立派な礼儀作法の1つ。そんな礼儀作法の入門講座「くらしに役立つふるまい」を1月15日から港南区民活動支援センターで開講。区民の生涯学習をサポートする「街のアドバイザー」として自身が学んだ小笠原流礼法の教えを基に、初歩的な挨拶や、訪問、冠婚葬祭時のマナー等を指導する。日常の中にある礼儀作法も「綺麗に見える形を示したい」と意欲を見せる。
○…「日本のことを何も知らなかった」。そう痛感したのは20代の頃。企業に勤めてから、もっと勉強したいと思い立ちアメリカに語学留学した時だった。各国の留学生は皆、何年に何が起きた、と年号と合わせて自国の歴史を語ることが衝撃だった。さらに自国の文化を発表する際にも、ルームメートの日本人女性が着付けを披露する姿に、より自分の知識不足を実感。その思いは帰国後も続き、「もっと日本の文化を勉強しなくては」と、小笠原流で礼儀作法を、表千家で茶道を学んだ。
○…握手などの接近型の西洋文化とお辞儀などの距離を取る日本文化が入り混じる現代。「礼儀作法の形は西洋文化の流入で形を変え、学ぶ人の中で受け継がれて変わるもの」と変化を前向きに受け止める。自身も「武者修行」と称して茶道の若手家元のもとで新しい作法の指導を受けるなど、変化に積極的だ。
○…主婦業の傍ら稽古に勤しむが、情熱を傾けるものがもう1つ。「時代小説が大好き。寝る間も惜しんで読んで家事もおろそかに」と少女のように笑う。普段はカジュアルな洋服姿で「礼儀作法の先生に見えない」と夫から揶揄されるとか。今でこそ茶道、礼儀作法に精通し、指導者側に立っているが、何も知らなかった留学時代を振り返り「あれから38年、(自国の文化を知ることを)ちょっとはクリアできたかな」。学んだ知識を指導に生かしていく。
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