栄区の老人福祉センター「翠風荘」の所長を務める 森田 邦夫さん 港南区日野南在住 62歳
よろこぶ顔が見たいから
○…60歳以上の市民が無料で利用できる「老人福祉センター」は各区に1館ずつ整備されており、栄区には野七里に翠風荘がある。鎌倉彫から英会話、水彩画、フラダンスまで多様な同好会が活動場所として利用し、「1人で来ても仲間ができる。そんな出会いの場」。ただ、同施設は老朽化で4年前に入浴施設を廃止し、かつて年間9万人にものぼった利用者数は一時半減した。その回復を使命として、3年前に所長に就いた。
○…まず着手したのが近隣住民への利用促進だった。自治会の定例会に顔を出し、チラシを1軒ずつポストに入れて回った。また、施設を訪れた人にはできる限り自慢の中庭を案内し、水琴窟の音を聞かせながら「春は御衣黄桜。花びらが落ちた後も、それが絨毯のようできれいなんですよ」と嬉しそうに語る。ツイッターを使った情報発信もお手のものだが、誰もが見られるようにと印刷して施設内にも掲示している。そんな真心を込めたコミュニケーションの1つひとつが、着実な利用者数の増加として実を結んでいる。
○…中区の出身で、横浜立野高校を卒業後に横浜市に入庁。市営地下鉄の車掌や運転士を務めた経歴があり、上永谷にある地下鉄の乗務管理所では所長も務めた。その一方でプライベートでは、住まいのある港南区日野南で15年ほど前から自治会活動に参加してきた。港南・栄の区界にある5自治会が共催している「富士見夏祭り」では毎年ペンギンの着ぐるみを着るのが恒例になり、子どもたちを楽しませている。
○…「人に喜んでもらうのが、やっぱりうれしいのかな」。自身の原動力については、あまり意識をしていない。かと思えば、「これから寒くなるから、浴室でのヒートショック予防も周知しないと」と、やるべきことを次々と思いついては行動に移す。施設の所長として今は、翠風荘の魅力を多くの人に伝え広めることに全力を注いでいる。
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