肢体不自由児者やその家族に気軽に外出してもらおうと、バリアフリーの市内スポットや障害児を持つ家族の外出の様子などを紹介した冊子「よこはまist(イスト)。」が7月25日に創刊された。地域福祉の課題解決を目指すNPO法人よこはま地域福祉研究センター=中区住吉町=が企画。佐塚玲子センター長(54)は、「障害児を持つ家庭はつらそうというイメージをもたれることが多い。明るく過ごしている様子を見て欲しい」と話す。
この冊子はB5判で、オールカラー36頁(本体370円)。「みなとみらい・桜木町」「日本大通り周辺」「横浜中華街」といった横浜の中心スポットを紹介し、バリアフリーのトイレや、障害者手帳割引情報、各施設の見どころなどを紹介しているほか、「我が家のおでかけスタイル」と題した企画コーナーでは肢体不自由児を持つ3組の家族が登場。家族のことや学校のこと、外出中に感じたことなど、想いがつづられている。
そもそもこの冊子は、関東甲越地区の肢体不自由特別支援学校のPTA・校長会合同研究協議会「神奈川大会」が開催されることに伴い、全国の参加者に横浜を少しでも知ってほしいと企画されたもの。支援学校や事業者との幅広いネットワークが評価され、同センターが担当することになった。
大会事務局の市立上菅田特別支援学校を通して、車いすでも楽しめる場所の情報提供を保護者らに呼びかけたところ、約30人から情報が寄せられた。当初、簡単なおでかけマップをイメージしていたが、予想外の反響に企画を練り直し、冊子化を決定。保護者8人がスタッフとして参加し、5月上旬からわずか3カ月で完成させた。
予算はまったくない段階からのスタートだったが、教育図書を中心に出版する「ジアース教育新社」=東京都千代田区=が30万円の資金協力をし、印刷代などを負担。ボランティアの交通費などにも充てた。同冊子のデザインを担当したよこはま地域福祉研究センターの塚原祥子さん(43)は、「障害児者に関心を持ってない人にも手にとってもらえるよう、使いやすさを意識した」と話す。
同冊子は地域の福祉事業所や有隣堂などの書店で購入できる。
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