今年で10周年を迎える町田市民文学館ことばらんど(原町田)では現在、「この町の現在(いま)〜ゼロ年代の町田若手作家たち〜」展を開催中。幼少期から10代、20代の頃に町田に住んでいたり、学生時代を町田で過ごした若手小説家、絵本作家、漫画家の10人を取り上げ、その作品から「町田の文学」の現在とその魅力について「郊外化」をキーワードに検証している。
町田市民文学館ことばらんど(河井康雄館長)はもともとこの地にあった町田市公民館の建物の一部を再利用し、増改築して2006年に開館。1997年の遠藤周作死去時に蔵書や遺品の一部が町田市に寄贈されたことから文学館開設の機運が高まり、旧町田市公民館の閉鎖から4年間の準備期間を経て開館した。以来10年、町田にゆかりのある文学者たちの著書や、それらが収蔵された資料閲覧室、様々な企画展などを通じ、町田ゆかりの作家や作品の魅力を伝えてきた。昨年8月には累計来館者数が50万人を突破した。
若手作家ずらり
今回は10周年にあたり、町田にゆかりのある「若手」作家たちの作品が一堂に会する展覧会を企画した。
西村賢太、阿部和重、戌井昭人、道尾秀介、三浦しをん、村田沙耶香、畑野智美ら芥川賞ほか数々の受賞している「売出し中」の小説家が並ぶ。また代表作「ソラニン」が映画化され、現在も週刊誌で連載を続ける漫画家・浅野いにお、町田在住の2人の絵本作家・町田自慢サポーターでもある中垣ゆたか、「こどもチャレンジ」の教育玩具も制作する新井洋行など、そうそうたるメンバーが揃う。
同展を企画した学芸員・山端穂さんは「町田に住んだり、町田の学校に通っていた作家さんたちで、2000年以降にデビューした人たちを揃えました」と話す。また、「ネットや携帯小説が当たり前の時代です。それらを理解し、魅力を伝えてもらうために、若者を代表する文化人で社会学者の塚越健司さんに解説してもらい、文学的視点だけでなく、社会構造や意識の変化、若者の視点など多角的に”町田の文学”を紹介できたらと思います。それぞれの作品はもちろんフィクションなのですが、明るい未来でなく目の前の真実を書くタイプ。そんな一人ひとりをクローズアップすることで、町の魅力が見えてくる。若い人たちにも目を向けてほしい」と提案する。
同展は6月26日(日)までの開催。トークショーや映画鑑賞会など関連イベントも企画している。
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