市民が自らまちの在り方を考えるきっかけにしようと、このほど景観冊子「まちなみデザイン逗子」が完成した。市民団体「逗子ほととぎす隊」の景観部会(白鳥悦子代表)が主体となって2千部を作成。7日から無料配布を始めた。景観や歴史、街並みに加え、生活のヒントなど「逗子らしさ」を随所に散りばめた内容となっている。
足かけ6年、市内全域歩き
冊子は縦24センチ×横18センチ、47頁。同部会と市まちづくり課が共同で企画制作した。
ほととぎす隊は2007年に市民参画で策定された「まちづくり基本計画」を推進するために組織された市民団体。文化やまちづくり、交通など分科会ごとに活動を展開しており、景観部会では「逗子ならではのまちなみを考える」を合言葉にワークショップや他の自治体への視察などを通じて研究を重ねてきた。
冊子刊行のきっかけになったのは、近年急速に進む住宅開発。バブル崩壊後、海岸沿いにあった企業の保養所が軒並み売却されたのを皮切りに、大小の開発が市内各地で行われ、まちの景観にも少なからず影響を与えるようになった。15年前に越してきた白鳥さんも「当時と比べてずいぶんと景観が変わった」と振り返る。「雑然とした建物ばかりになっては本来の逗子らしさが失われてしまう」。危機感を抱いたメンバーらが「逗子の原点を見直せるものを形にしよう」と製作に着手。手始めにメンバーが手分けし、自治会の協力を得ながらおよそ2年かけて市内全8区域を歩き回った。良いところと課題を洗い出し、さらに90回以上にも及ぶ会合を重ね、実に足かけ6年間で1冊にまとめあげた。
冒頭では海、緑、暮らしなど町を形成する要素とともに景観の特徴や歴史を紹介。例えば「逗子は狭い路地がまちを形成しているのが特徴。道幅が狭く、ブロック塀よりも生垣や低い塀の方が安全で景観を魅力的にする」など独特の街並みに触れながら、景観づくりの方向性を示している。
また環境美化や歴史的建造物保全など景観保全に取り組む市民の活動も紹介しているほか、建築の専門家の視点から家づくりや外構改装時の工夫、さらに「今からできる景観への取り組み」として実践のヒントも添えた。「手にとって、逗子の良いところを見直すきっかけにしてほしい」と同部会では呼びかけている。
冊子は市まちづくり課で配布しているほか、市ホームページからも閲覧、ダウンロードできる。問合せは同課【電話】046・873・1111
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