(一社)日本ジュエリー協会が主催する日本最高峰の宝飾デザインコンテスト「JJAジュエリーデザインアワード」で、葉山町一色在住の造形作家でジェリーデザイナーの市川治之さん(69)が最高賞にあたる「日本ジュエリー大賞・経済産業大臣賞」を受賞した。応募総数120作品の中から既成の概念に捉われない独創性が高く評価された。
「従来の概念覆すものを」
同コンテストは「世界へ発信できる日本ジュエリーの最高峰を求めて」をテーマに毎年開催されているもので今年25回目。先月26日から3日間、東京ビッグサイトで行われた国際トレードショーの初日に表彰式が行われ、38の入賞作品が発表された。
市川さんがデザインしたのはリングとペンダントのセット。ディスプレイした時に船の帆に見えることから作品名を「Sailin(セーリング)gSquare(スクエア)」(帆走する四角)と題した。一般的に指輪と言えば円形の輪を想像するのに対し、市川さんの作品は一枚のプレートに切り込みを入れ、立体的に押し広げた独特の形状が目を引く。審査委員長を務めた東京藝術大学の飯野一郎教授も「ひとひねりを加えた完成度の高い作品で装着時も様々な情景を思い起こさせる」と評した。
自身も同大学の出身。工芸科を卒業後、美術造形作家として創作活動を始めた。現代日本美術展で大賞を受賞した1977年からはジュエリーデザイナーとしても活動をはじめ、これまでも数多くコンテストで賞を収めているほか、現在も自身のブランド「ハルユキイチカワ」で作品を発表し続けている。
今回の出展は実に20年ぶりで「今さらという気恥ずかしさもあったが、やるからには今までの概念を覆すようなものを作ろう」と構想に着手。およそ1カ月かけて作品に仕上げた。受賞を受けて市川さんは「この年になってこういう賞をいただけるのは光栄だし素直に嬉しい。今後の創作への励みにもなる」と振り返った。
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