各自治体が共通課題として抱えるごみ処理や排出量削減などを産官学で解決しようと鎌倉、逗子、葉山の2市1町はこのほど関東学院大学(横浜市金沢区)との連携に着手した。皮切りとして14日には同大学で3首長が登壇するシンポジウムを開催。今後は企業との連携を視野に、具体策を打ち出していくという。
「キエーロ」普及に活路
首長らはシンポジウムでで「ごみゼロ社会への挑戦―2市1町の取り組み」と題し、ごみの排出量や処理費用、削減に向けた取り組みなど廃棄物行政の現状を紹介。ごみ処理に各自治体が年間数十億の経費を費やしていることに触れながら「ごみ処理にお金をかけることはお金を燃やし、埋めているのと同じこと。ごみがなければそのお金でどれだけのことができるか考えてみてほしい」などと学生や参加した市民に訴えた。
排出ごみの約5割を占める家庭系ごみの削減に大きな効果を発揮するキーアイテムとして紹介されたのが、葉山町発祥の家庭用ごみ処理機「キエーロ」。木枠の箱に土を入れ、生ごみを混ぜるだけだが、日光でバクテリアを活性化させることで食品残渣や廃油を分解させることができる。各自治体とも市民がキエーロを購入するための独自助成制度を設けており、普及に力を注ぐ。3首長ともキエーロの利用者で平井竜一市長は「最初虫がわくのではないかと妻に反対されたが使ってみると全然気にならない」、山梨崇仁町長は「堆肥を使えば家庭菜園で美味しい野菜ができる」、松尾崇市長は「今は我が家に5台のキエーロ」があるなどそれぞれ使い勝手の良さや利点をPRした。
キエーロの利用についてアイデアを求められた経済学部の男子学生は「学校でも導入して昼食で出るごみを減らしては」と提案。これを受けてコーディネーターの小山嚴也副学長は「実は学生食堂への設置を検討している」と明かし、その他にも学生寮への設置やキエーロのデザインコンテストを開催する案も持ち上がった。「キエーロの製作ワークショップに参加したり色々と関わってもらえたら」と学生らの協力に期待を寄せた首長ら。参加した女子学生は「お金をかけずごみを減らせるのはとてもいいことだと思う。家でも試してみたい」と話していた。
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