逗子市の平井竜一市長は19日、市役所で行われた逗子海水浴場の運営検討会で、海の家の営業時間と音楽の使用について規制を緩和する考えを示した。条件付きで午後8時までの営業を許可するほか、音楽もBGMのみを認める内容で、検討会の協議などを踏まえ、4月にも最終判断する。
音楽「BGMのみ」容認も
海水浴場の運営に関する検討会の初会合に出席した平井市長は冒頭、3月中に方向性を固めるとしていた営業時間と音楽の判断を「1カ月延期する」と表明。緩和は「現状での市の考え」と前置いた上で基本方針を示した。
具体的には海開きする6月26日から7月末までの約1カ月間、緩和の試行期間を設けるというもの。営業時間については昨夏と同じ午後6時30分までを原則とし、「ファミリービーチにふさわしいイベント」を催す場合は土日を中心に午後8時まで営業を許可。音楽についても出力の小さいスピーカーで近隣住民に迷惑がかからないことを条件にBGMのみを認める考えを示した。8月以降は7月までの状況を評価し、海岸組合がルールを順守しているか、海の治安や風紀が保たれているかなどを見極めた上で、緩和の方向性を再度検討する。市長はこれらの考えを柱に、4月に予定される検討会や市民とのまちづくりトーク、海の家の事業者と近隣住民との意見交換会などの結果を踏まえて今夏の方針を最終判断するという。
住民の不安濃
市が「日本一厳しい条例」を施行した昨夏。条例に規定される砂浜での飲酒やバーベキュー、入れ墨の露出禁止などは踏襲される一方、営業時間と音楽については規制が緩和される見通しとなった。だが、近隣住民からは「なし崩しに風紀や治安が乱れた状況に戻ってしまうのでは」という懸念から緩和への抵抗感は根強い。2月には地元町内会など5団体が連名で昨年と同様の規制を望む要望書を提出しており、関係者のひとりは「これまで(海岸組合に)裏切られてきた経緯があり、信用ができない」と明かした。今後、組合側が意見交換会などを通じて住民理解をどの程度得られるかが焦点のひとつとなっており、平井市長も「住民の不安は肌で感じている。限られた時間ではあるが、組合と住民が信頼関係を積み重ねていくプロセスが重要だ」と強調した。
海の家44事業者が届け出
逗子海岸営業協同組合(菊池千春理事長)によると、今夏出店する海の家の受付期限だった20日までに44の事業者が届け出た。事業者数としては昨年並みという。昨夏は35店が出店している。今後出店者は5月中旬に行われる市の説明会を受けた後、6月1日から着工する。菊池組合長は「ルール順守の徹底に努める。工事も住民の方の理解を得た上で進めたい」と話した。
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