逗子市が2018年度予算編成に向けて深刻な財源不足に陥っている問題で、市は先月30日、緊急財政対策を発表した。人件費削減を始め約150の事業を見直し、不足額の計7億円を補う。中間報告よりも子育て分野で縮小幅は緩和したものの、住民サービスの削減額は2億6千万円にのぼっており、市民生活への余波は避けられない見通しだ。
花火、流鏑馬補助も休止
同日行われた市議会全員協議会で平井竜一市長が報告した。市が提示した財政対策プログラムによると、人件費削減(2億7千万円)、事務事業の見直し(2億6千万円)、国民健康保険の補てん削減(1億円)、葉山町とのごみ広域連携による歳入増と歳出減(7千万円)で計7億円を見込む。
期間は今年度から2022年度までの6年間。特に18・19年度は集中対策期間と位置づけ、人件費削減や事務事業の見直しに専念し、最終的に市の貯金にあたる財政調整基金の残高10億円を目指すとしている。
事務事業は、市民生活への影響度や緊急度、費用対効果などを加味。対象になったものについては縮小・休止(一時凍結)・廃止(今後行わない)のいずれかに選別した。来年度、市民交流センターや市立図書館の開館時間を短縮、桜山の郷土資料館を一時閉館するなどし、公共施設による削減で約1600万円を捻出するほか、流鏑馬や武者行列、逗子海岸花火大会への補助も休止する。
さらに市が独自に補てんしていた国民健康保険については来年度以降、税金からの繰り出しを段階的に引き下げる。これにより、市民の保険料負担が所得などに応じて年間、数千円〜数万円増えるという。
小児医療助成は維持
一方、中間報告で「子どもへの予算削減が顕著だ」と議員から指摘があったことなどを踏まえ、子育ての分野では縮小幅を抑えた。小学生以上は凍結する予定だった小児医療費の助成は現行通り小学6年生まで。月6千円を支給するひとり親家庭への福祉手当の削減は19年度からに先送りし、廃止としていた特定不妊治療への助成も補助額を縮小して継続する。平井市長は「子育てや教育はこれまで重点的に対応してきた。人口を維持する上でも、影響は最小限にとどめるべきと判断した」と説明した。
人件費の削減には、市長の給与500万円の減額も含まれる。だが、この日の全員協議会では「それで財政難の責任を果たしたと言えるのか」と市長を追及する厳しい声が相次いだ。
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緊急財政対策に関する市民説明会が11月11日(土)、市役所5階で行われる。午後2時から4時。
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