8日、逗子沖などで開かれたヨットレース「若大将カップ」のディンギー部門で逗子セーリングクラブ所属の平野好明さん(73)と鹿島清さん(67)ペアが総合優勝した。同部門にはヨットの愛好家など市内外から35チームが参加。平野さんらは逗子の海を拠点に活動する地の利を活かし、巧みな操舵で見事初代チャンピオンに輝いた。
大会は2020年東京五輪セーリング競技江の島の開催に向け、県などが主催するヨットフェスティバル「ENJOY海KANAGAWA」の一環。同フェスの名誉委員長を俳優の加山雄三さんが務めており、「若大将」を冠したヨットレースではクルーザー部門に加え、今年初めてディンギー部門が実施された。
ディンギーには様々な艇種があり、性能に応じた時間のハンディキャップが設けられる。平野さんペアはハンディを加味した修正時間で2位に7秒差をつけて20分8秒でゴール。クラス別でもトップに立った。
年間90日ほど逗子の海でヨットを走らせているという平野さん。「潮の流れや風など勝手知ったる海。いいスタートが切れて、クルーともうまく連携がとれた。1回目に優勝できて名誉に思う」と振り返った。
「A級」のバトン繋ぐ
平野さんらが使用したのは「A級ディンギー」と呼ばれる木製の艇。昭和20〜40年代には大会の公式艇として広く普及したが、現在は一部の愛好家を除いて競技艇として使われることはほとんどなくなった。
平野さんがそんなクラシカルな艇に魅せられたのは、同クラブ会長で逗子ヨット協会の会長も務めた山路恒夫さん(87)と出会って。逗子の海でA級ディンギーを操る山路さんを見て、学生時代ぶりに艇への熱が再燃した。以来、ともにヨットに乗るようになり、全国大会で6位に入ったこともある。「A級はセール(帆)や舵を正確に操らないと進まないが、それが面白いところ」と魅力を話す。
今回使用した艇は山路さんの所有で、舵は60年前初めて購入した当時のものだ。「本当は山路さんをレースで表彰台に上げたかった。(優勝できて)少しは恩返しができたかな」と平野さん。山路さんは「A級ディンギーで結果を出してくれた。それが一番うれしい」と目を細めていた。
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