牛久保西在住小川ゆう子さん 新聞で闘病支えたい 患者目線の季刊紙を発行
病気に苦しむ人やその家族などに役立つ情報、ぬくもりを届けたい―。自身も難病を抱えながら3ヵ月に1回の季刊紙「ゆうこ新聞」を発行している小川ゆう子さん(牛久保西在住・40歳)。現在発行部数は500部以上となり、その想いは全国に届けられている。
病気を抱えている人に共通の悩みに答えたり、闘病生活の中でも楽しみとなる情報を提供するゆうこ新聞。A4サイズ4ページの中で、医療関連の図書を調べたり専門家に取材した内容を伝える。2010年の秋に第1号を発行し、今年4月28日に刷り上がった最新号で第7号となる。
その切り口は、「病気を持ちながら働くということ」「災害時に備える薬の予備について」「食事制限のある人でもおいしいレシピ」など。自ら辛い闘病生活を知るからこそ、患者目線での執筆を心がける。うつや女性の生理不順など繊細なテーマにも、細やかな心配りをしながら挑む。
小川さんは34歳の時、「全身性エリテマトーデス」と診断され、1年ほど入退院を繰り返した。薬などの副作用から幻覚や記憶障害に悩まされ、退院後も「人に会いたくない」と引きこもる毎日。絶望的な気持ちになり、家族に携帯電話のメールで「お別れ」の言葉を送った。今でも覚えているのは、その時姉が言ってくれた言葉。「最悪の状況を乗越えたら、同じ苦しみをわかってあげて励ますことができる人になれるよ。あきらめないで」。当時、すぐには前向きな気持ちになれなかったが、1年ほどのリハビリを経て症状が落ち着くと新聞の発行を決意。専用のソフトウェアを使い、独学で作り始めた。
もともと「表現すること」が好き。入院中も、夜眠れない人に足のツボをイラスト付きの文章で伝えるなどしていた。そんな優しさがこもった手紙が、同新聞の原点となっている。
「人の命の重さや、流れる血液の温かさが伝わるようなものにしたい」とは、第1号に綴った言葉。「この新聞が、少しでも闘病生活の楽しみや支えになれば」と小川さん。
同新聞は、持病を持つ人で希望者に郵送しているほか、都筑区役所2階の福祉保健課に置かれている。
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