まちづくりに思いを語る中村区長
平成27年の年頭にあたり、本紙では都筑区の中村香織区長に新春インタビューを行い、区政運営の方針、ビジョンを聞いた。
（聞き手／都筑区編集長 小室裕司）
――昨年は区制20周年という一大イベントを迎えた年でした。１年を振り返っていかがですか。
年間を通して、区民・団体・企業の皆様と幅広く協働することで、記念誌や水と緑の散策マップの作成、地域を紹介する記念映像の作成、音楽団体が饗宴したコンサートの開催、企業と連携した特別企画展の開催など、様々な事業やイベントを実施でき、20周年の節目の年を共にお祝いすることができたと思います。多くの方々と一緒に事業を企画したり、実施したりすることで、より深い関係を築くことができ、それが大きな財産になったと感じています。
――「子育て」「福祉」など、区として向き合うべき課題が山積していると思います。今年重点的に取り組まれることについてお聞かせください。
今年は、特に、女性の活躍支援、健康づくりの支援、「自助」「共助」の取組支援の３点について力を入れて取り組んでいきます。
●女性の活躍支援
４月から全国的に子ども子育て支援新制度が本格的にスタートし、様々な子育て支援の充実が見込まれます。都筑区の子育て特性としては、新たに転入してきた方が多く、身近に相談する相手がいないなど、地域の関係が希薄となっている傾向があります。そのため、地域でつながりを持つことで、仕事と子育て・家庭生活が両立でき、女性が力を十分に発揮できるよう、いわゆる「小１の壁」の不安の解消を図る取組を進めます。小学校入学予定児童の保護者を対象に、ネットワークづくりと情報交換の場を設けるとともに、放課後児童の居場所づくりを地域の力で支えていただけるよう支援します。また、経験やスキルのある女性の力を地域で活かすための手法を検討するなど、女性が社会で活躍できる環境づくりに取り組みます。
●健康づくりの支援
都筑区は、平均年齢が40・11歳と市内で最も若い区ですが、今後とも区民の皆様が、いつまでもいきいきと健康に暮らすことができるよう、取り組んでいく必要があります。そこで横浜市で掲げる「健康寿命日本一」を踏まえ、よこはまウォーキングポイント事業を推進するとともに、ラジオ体操による運動習慣のきっかけづくり、区の魅力資源である緑道等を安心して歩けるようにする環境の整備、また都筑野菜をＰＲすることによる食育に取り組むことで、健康に活躍できるまちづくりを推進します。
●自助・共助の取組支援
災害に負けない強い地域づくりのためには、まずは自らの命を守る「自助」、近隣や地域で支えあう「共助」が重要になります。都筑区では区民の皆様と、自助・共助の重要性を様々な場面で共有し、実践いただくことで災害時の被害の軽減を目指します。
災害時の要援護者支援事業「つづきそなえ」に取り組むとともに、自治会町内会の役員の皆様を対象とした研修会の開催や、地域や関係機関と連携した訓練を実施することで、地域の防災・減災力の強化に取り組みます。また、昨年の土砂災害の被害を踏まえ、風水害対策についても、区役所としてしっかり取り組んでまいります。
――昨年は全国各地で想定外の災害に見舞われました。２０１１年以来、災害に強い街づくりを支える「地域の絆」が重要視されていますが、その礎となる区内の自治会町内会の加入状況を教えて下さい。
先ほど申し上げた「つづきそなえ」は防災の共助を強化するために、地域の役員の方などが高齢者などのお宅を訪問して、日常的な見守りや顔の見える関係づくりを進めることで、いざという時に備える取組です。これには自治会町内会が大きな役割を果たしていただいていますが、自治会町内会は防災だけではなく、児童の登下校の見守りや防犯パトロールなど様々な地域活動において、重要な基盤となっています。そのため、平成21年度から継続的に自治会町内会の加入促進の取組を強化しており、その結果、加入率は最も低かった62・１％（Ｈ22）から65・５％（Ｈ26）まで上昇しました。全市的に加入率が下がっている中で、唯一、４年連続加入率が増加しています。加入率の向上の取組として、小学校等とも連携した小学１年生の保護者への加入のご案内や、地域の特性に応じて自治会町内会と共に加入の働きかけを実施しています。
――最後に区民にメッセージをお願いします。
今年は都筑区のさらなる成長と発展に向け、20周年で深めることができた、区民・団体・企業の皆様との絆やつながりを活かし、より住みやすい、そして、ずっと住み続けたいと感じていただける都筑のふるさとづくりを進めてまいります。どうぞ宜しくお願いします。
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