横浜市はこのほど、市内を流れる6水系の河川に生息する生物の調査結果を発表した。その結果、都筑区内の調査地点からも神奈川県のレッドデータブックなどで絶滅危惧種に指定されている魚類や水草が発見された。
市環境創造局環境科学研究所は6水系(鶴見川、大岡川、境川、宮川、侍従川、帷子川)について、1973年から約3年に1回の頻度で魚類、底生動物(エビ、カニ、貝類、水生昆虫など)、水草、付着藻類についての調査を実施。さらに、確認生物から河川の水質評価も行っている。
都筑区内では鶴見川水系の早渕川、鶴見川で調査。対象地点は境田橋(中川中央2丁目)、千代橋(川和町)、落合橋(佐江戸町)、第三京浜道路下の4カ所で、魚類22種、底生動物68種、水草6種、抽水植物11種、付着藻類80種の計187種が発見された。また、水質調査については全地点で「きれい」となった。
県のレッドデータブックや環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている魚類のニホンウナギ(第三京浜下)、水草のセキショウモ(第三京浜下)が確認されたほか、個体数が減少しているハグロトンボ(千代橋、落合橋)、コヤマトンボ(境田橋)など希少種も見つかった。
市環境科学研究所の中後博所長はセキショウモの発見について「横浜市内の河川調査では初めてのこと。現時点では環境上の変化は判断できないが、注視していく必要がある」と話す。
希少種が確認された一方で、外来種は増加傾向にあることもわかった。特にカワリヌマエビ属に関しては05年の調査時は1地点だったが、今回は千代橋、落合橋などを含む23地点(4水系)に分布が拡大していることも明らかになった。同研究所担当者は「在来種のヌカエビが確認されなくなった地点もあり、外来種に駆逐されている可能性もある」と指摘する。
外来種の影響について昔ながらの里山保全を行っている自然生態園(茅ケ崎南)の亀田さやか事務局長は「ザリガニなどが増えると田んぼに穴をあけ、水が溜まりづらくなる。外来種を駆除した結果、在来生物が戻ってきた。園内での実感だが、外来種は駆除したほうがよいのでは」と話す。
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