区内の高齢者施設などで演奏するバンド「ブルーグリーンアンサンブル」のリーダー 三須 国男さん 茅ケ崎南在住 72歳
懐かしの音届ける配達人
○…高齢者に懐かしの音楽を届けるバンドのリーダーを務める。担当はギター。メンバーと自宅マンションの集会所で月2回、練習を重ねている。結成から4年。演奏曲は200を超えるという。「観客が昔を思い出しながら歌う姿にやりがいを感じる」と笑みをこぼす。
○…ギターとの出会いは中学の頃。当時流行していた映画「禁じられた遊び」のテーマ曲をラジオで聴き、衝撃が走った。「かっこいい。自分も演奏してみたい」。両親を説得しギターを買ってもらった。何事も夢中になると極めたくなる性格で、「奥が深い楽器だ」と楽譜を見ながら我流で猛練習。大学ではマンドリン部に所属し、先輩の指導のもと弦楽器の腕を上げた。各大学の発表会に参加し、音楽漬けの学生時代を過ごした。「皆で音楽を生み出すことが楽しかった」と振り返る。
○…大学卒業後は港北区の機械設計会社に就職し、エンジニアとして働いた。30代で結婚。2人の子どもにも恵まれた。仕事に打ち込むあまり、いつの間にか好きだった音楽とは離れた生活を送っていた。定年まで仕事を全うした後、「これからは好きなことをしたい」と区との協働事業シニア楽農園の会に入会。農作業を通してさまざまな人と交流した。収穫祭を行った際、出し物として会員らで演奏したのがきっかけで、バンドを結成。「新しく出会った仲間たちが、忘れかけていた音楽の面白みを思い出させてくれた」
○…都筑区に住んで20年あまり。自身が住む地域で行われる自治会の祭りや、ボランティアで視聴覚障害者にも演奏を披露している。今後の目標は「高齢者だけでなく区内の皆を音楽で笑顔にしたい。体の動く限りバンドは続けていきたい」と話すその目はまっすぐ前を見据える。
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