がん治療中の女性は新型コロナウイルスのワクチン接種を積極的に望んでおり、接種率も一般と比べて高い--。こんな調査結果を都筑区の一般社団法人ピアリング(上田暢子代表理事)が3日に発表した。上田代表理事は「主治医とのコミュニケーションが接種率に影響しているのでは」と分析している。
同法人は「第3回新型コロナウイルス感染症感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急実態調査〜コロナワクチン編〜」を8月8日からの1週間、女性がん患者1182人に実施した。同法人が運営するがんに向き合う女性のためのコミュニティ型SNS「PeerRingピアリング」を活用して行われた。
回答した女性がん患者1182人のうち、ワクチンを1回接種した人の割合は75%で、2回の接種を完了した人の割合は49%いることがわかった。8月18日に「NHK新型コロナウイルス特設サイト」で発表された国内接種率(1回目接種50・3%/2回接種完了38・8%)と比べた結果、女性がん患者の接種率が国内接種率を上回っていることがわかったという。
この結果を受け、上田代表は「がん経験のある人はコロナに罹患した際の重症化リスクを恐れ、ワクチンをうつ不安よりうたない不安が大きい」として「主治医の先生とのコミュニケーションが取れていることが接種率の高さに現れているのでは」と分析している=図参照。
対話で不安解消に
「主治医とどんな話をしたか」という設問に対して58%が「接種時期について」と答え、「副反応の内容や注意点について」が27%で「接種のメリット・デメリットについて」が24%だった。
上田代表は「経過観察中の人も含め、通院などで定期的に先生とコミュニケーションの機会がある。ワクチン接種について話すことで疑問や不安が軽減され、接種に前向きに臨んでいる傾向がある」と推察する。
調査では副反応以外に接種後に困ったことも問うた。「リンパ浮腫が発症した」「放射線治療は休めないので接種翌日はつらい」「抗がん剤の副作用かワクチンの副反応かわかりづらい」「軽い頭痛と吐き気が残り脳転移かと不安になった」などの回答があった。
アンケートの監修を行った乳腺外科医の鈴木瞳医師(一宮西病院)は「ワクチン接種後は自覚の有無に関わらず診察時の画像検査でリンパ節腫大が見られることがあるので、リンパ浮腫治療中の人は接種のタイミングを相談し、セルフケア・スキンケアを再確認しておきましょう」とコメントしている。
同法人ではこれまでにも2度、感染拡大によるがん患者への調査を行っている。上田代表は「1182人もの協力があり関心の高さがうかがえる。今後もまだ気づけていない所はないか継続的に追跡調査していきたい」と話している。
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