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市内虐待対応医 「専門性持つ多機関 連携を」 相談件数が年々増加

社会

掲載号:2021年10月7日号

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県立こども医療センターの田上医師
県立こども医療センターの田上医師

 大阪府摂津市で今年8月に起きた3歳児虐待死事件。虐待事案に多く携わる神奈川県立こども医療センター(南区)の田上幸治医師は「こういった虐待死は横浜を含めどこでも起きうる」と警鐘を鳴らす。市内の児童相談所への虐待通告件数が年々増加する中、「児相だけでなく専門性ある多機関が連携しないと子どもの安全確保は難しい」と指摘する。

 大阪の事件では知人や近隣住民から「母親の交際相手の男性が虐待をしている疑いがある」との通報が市に寄せられていた。府の児童相談所も報告を受けたが、施設への「一時保護」などの対応をとらず、市民やメディアから批判されている。

 横浜市は政令市のため摂津市と異なり、市内4カ所の児相と各区役所はいずれも市の組織。「同じ組織内なので、比較的連携は取れている」と市こども青少年局の担当者は話す。

 「他自治体に比べて横浜は虐待対応の予算も多く、一時保護にも積極的」。そう話すのは県立こども医療センターの田上医師(小児科医)。同センターは主に頭部外傷や多発骨折といった重傷患者の虐待対応を担い、原因が事故か虐待かを見極めた上、必要に応じて入院させて様子を見るケースもある。

 NPOの代表理事も務める田上医師は「現代の子どもを取り巻く環境は複雑化、深刻化し、虐待の危険はどこにでもある」とし、「関係機関に、単に情報が共有されているというだけでは適切な対応は現実的に難しいのでは」と指摘する。

親の孤立を防げ

 市内の児童虐待通告・相談件数は年々増加し、昨年度で約1万2000件にのぼる(前年比1500件増)。児相だけでの対応には限界があり、田上医師は「医師は診察・治療、警察は捜査、児相は保護、役所は生活支援など各機関には得意分野がある」として、専門性を生かした連携が子どもの安全確保のために欠かせないとする。

 また親自体が孤立していることも多いといい、「支援体制を整え、親が関係機関とつながることが大切。全て完璧にしようとせず、困った時にSOSを出せるようであるのが望ましい」と語る。

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