「公共建築物の木造化」 横浜市会議員 古川なおき
昨今、世界中の都市で様々な木造ビルが建設されており、ロンドンやシカゴなどでは超高層の木造ビルの構想も進んでいます。我が国でも住友林業が2041年までに高さ350メートル70階建ての木造超高層ビルを東京丸の内に建設する構想を発表しました。一部鉄骨を含んだ7階建て以上の「木質」建築の施工計画は日本初となるようです。住宅8千棟分の木材を使うので二酸化炭素(CO2)排出量を削減し、森林再生にも役立ちます。地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」実行に向け、日本には積極的な役割が求められていることからも素晴らしい構想だと思います。
「学校や保育園を木造に」
私は20代の頃、岩國哲人出雲市長(当時)に面会させていただき、当時日本最大の木造建築物の出雲ドームや木造校舎を見学させていただいて以来、公共建築物の木造化に関心を持ち続けて来ました。我が国は戦後経済発展を続け、経済的には豊かになりましたが、少子高齢化や人口減少の中、人間関係が希薄化し、「いじめ問題」や「振り込め詐欺」「孤独死」など悲しい出来事が後を絶たず、心は決して豊かになっていないように感じます。本来の人間性を取り戻すためにも、美しい海や山、川に行き大自然を実感すること、木材など人工物でない自然の物に直接触れる機会を増やすこと、野菜中心の健康的な食事(地産地消)、農作業の体験などの施策を推進すべきだと思います。特に子どもたちの教育環境は大切ですので、学校や保育園などの施設には積極的に木造化や室内の木質化を推進すべきであると議会でも主張し、「横浜市公共建築物の木材利用促進ガイドライン」を建築局に作成していただきました。日本は約7割を森林に覆われた世界有数の森林大国であり、世界最古の木造建築物は法隆寺の五重塔といわれています。昨今は耐火性、耐震性の強い木材も開発が進んでいます。木造校舎や木造ビルを推進することで、人の心に潤いを与え日本の財産である森林を守り、地球温暖化防止に寄与することができるよう、今後も努力したいと思います。
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