新年寄稿 弱者を生まない社会へ 神奈川県議会議員 おのでら慎一郎
コロナ禍がいまだ収まらぬ中で新しい年を迎えることとなりました。県民の皆様のいのちと暮らしを守る仕事に、今年も全力で取り組みます。
私の代表質問に答えて一昨年8月に、新型コロナの影響で困窮する県民を支援する「県民生活支援庁内連絡会議」が発足。昨年11月には、それを発展させ、子どもや女性、孤独・孤立に陥っている方などの支援に全庁体制で取り組む「神奈川県生活困窮者対策推進本部」が知事を本部長に設置されました。
「生きる」を保障ベーシックサービス
先月6日に行った一般質問では、コロナ禍でニーズが高まっている「こころの電話相談」の接続率が1・6%と大変低いことから、知事に改善を求めました。
しかし、これらはあくまで「対症療法」です。コロナ禍で多くの人々が暮らしと仕事の基盤が脅かされている中、政治に本来求められるのは、誰も置き去りにしない新たなセーフティネットの構築ではないでしょうか。
一昨年10月の衆議院代表質問で公明党の石井啓一幹事長は「公明党は、医療や介護、育児、障がい者福祉、住まいなど、人間が生きていく上で不可欠な基本的サービスを原則として無償化し、『弱者を助ける制度』から『弱者を生まない社会』へと福祉の裾野を大きく広げる『ベーシックサービス論』を本格的に検討していきます」と述べ、財源についても、給付と負担の両面から積極的に議論を行うことに言及しています。
現金支給から現物支給へ転換
ベーシックサービスの発案者である井手英策慶大教授によれば、消費税を6%上げられれば、医療、介護、大学教育、障がい者福祉が無償化され、義務教育の給食費や学用品等もタダになり、低所得層は住まいへの手当等で消費税の負担以上の給付が受けられるようになるとのこと。さらには、幼稚園や保育所で働く人たちの給与の大幅引き上げも実現します。
今回の「18歳以下に10万円」には、子育て世帯に対する所得再配分の意味もありましたが、実に様々な反響をいただきました。また、昨年の特別定額給付金と同様、消費喚起策ではないにもかかわらず、効果は限定的とか、どうせ貯金に回ってしまうなどと庶民のやりくりが分からない”有識者”から「上から目線」の物言いがつけられ、つくづくお金を配る政策は難しいと痛感しました。
一時的な現金支給から持続可能な現物支給へ。財源を消費増税に頼ることの是非も含め、わが国の福祉のあり方を問い直すべき時が来ています。
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