街路樹【1】「サクラ」 花を愛でる 富岡総合公園のソメイヨシノ 日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)
近代街路樹の発祥の地は横浜の馬車道路で、その碑が馬車道の交差点に立っています。1867年に馬車道の商店街でマツとヤナギを並べて植えたのが始まりです。現在横浜市には13万本以上の街路樹が植えられており、樹種ではイチョウが最も多く、次にユリノキ、サクラ類と続きます。
今回は、街路樹で第3位の「サクラ」(ソメイヨシノ)を取り上げました。
私たち日本人は、春サクラが満開になるのを心待ちにしています。サクラの中でもソメイヨシノには絢爛豪華さがあり、ヤマザクラのように満開時に葉が開いていないため実に見事です。
奈良時代のウメの香りを楽しむ風習から、平安時代に入ると急速に日本文化が発達し、宮廷にはウメの代わりに「左近の桜、右近の橘」が誕生しました。左近の桜には一重のヤマザクラが選ばれ、サクラの花を愛でる風習は今日まで続いています。
江戸時代に入り、オオシマザクラとエドヒガンの交雑種のソメイヨシノが現れ、その美しさと豪華さから、「桜の女王」に君臨しました。しかし、ソメイヨシノにも大きな欠点があります。花見ができるまでには十数年かかり、しかもヤマザクラやオオシマザクラと比べて寿命がずっと短く、5年も経るとテングス病にかかりやすく樹勢が弱まります。また花が終わると萼と雄蕊だけの「花がら」が目立ち、ヤマザクラのような上品さに欠けます。
区内のサクラの名所は、野島公園、称名寺、金沢自然公園、富岡西7丁目などもあります。
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