第1回 絵描き虫 金子さんの草花の不思議発見 葉の模様は誰のしわざ? 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
久しぶりに執筆することになりました。前回同様ご愛読よろしくお願いします。皆さんが草花を見ながら野外を歩いている時、目にする不思議(疑問)だなと思う自然の現象を、シリーズとして取り上げます。
「葉は緑色が当たり前」というイメージを抱いていましたが、自然界には違った色を示す葉が意外と多く見られます。第1回は、線で描いたような模様の「絵描き虫」の葉です。
これは蛾、蜂、ハエ等の幼虫(絵描き虫という)が葉の中に潜り込んで、葉肉を食べた跡です。絵描き虫は、寄生蜂等の天敵から逃れるために葉の中に潜っていきます。しかし、一筆書きのように単純な模様では、直ぐ天敵に見つかってしまうので、絵描き虫は進む方向をたえず変え、天敵に見つからないように努力しているのです。この両者の攻防は、大昔から繰り広げられ、お互いに進化していった結果の現れです。
寄生蜂は産卵のために虫を見つけ、産卵針を虫のお腹へ刺します。卵から孵った幼虫は絵描き虫を食べて成長していきます。
皆さんも野外へ出かけて、色々な絵描き虫のアートを見つけましょう。
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