金子さんの草花の不思議発見第14回 コクサギ 左右に2枚ずつ葉をつける 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
一般に葉が茎につく並び方には3通りあり、種類によってそれぞれ決まっています。茎の一つの節から、1枚の葉をつける場合(茎に互い違いにつく=互生)、2枚の葉が向き合ってつける場合(対生)、そして3枚以上の葉をつける場合(輪生)があります。
しかし中には、これ以外の葉のつき方をする植物もあります。その一つが「コクサギ」です(写真右上)。枝(茎)に対して右側に2枚、左側に2枚と、2枚ずつ互生に並んでいます。普通の互生では、アマドコロ(同左上)のように、1枚ずつ左右に並びます。
コクサギのような葉のつき方をするのは、他にムラサキシキブ、サルスベリ、ヤブニッケイ等があります。いずれも古くは対生であったのが、進化の過程でそれぞれ上下にずれたと考えられます。
コクサギは、川沿いや少し湿った所に生育する落葉低木で、円海山周辺でよく見ることができます。名は「緑肥(こくさ)にする木」が由来で、緑肥(こくさ)とは肥やしにする草をいいます。葉には多くの精油を含み、昔から枝葉をトイレに落として、ウジ殺しに使われました。
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