金子さんの草花の不思議発見第17回 バラ 「バラ」は歴とした日本語 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
「バラ」は横浜市の花、父の日の花、そしてアメリカ国の花等いろいろ象徴されている花で、最も身近な花の一つです。
日本で昔からバラと思われている花には、ノイバラ(写真右上同じ仲間)、ヤマイバラ、テリハノイバラ(同左上)、サンショウバラ、ハマナス等があります。万葉集では「荊(うまら)」で、源氏物語や枕草子では「薔薇(そうび)」で表現されており、いずれも「ノイバラ」を指しています。古代中国でもノイバラのような小さなバラを「薔薇」と呼んでいました。
薔薇の語源は「細長く伸びる蔓植物」からきており、私たちが口にするバラは、棘を意味する「イバラ」に由来し、棘のある植物全体を指していました。このように「バラ」という言葉は、古くからの日本語で、後にバラ属の総称になり、今ではバラといえば西洋バラを指すようになりました。
古代からバラに関する話題は豊富で、5000年前から栽培が行われ、いろいろな品種改良がされてきました。花の色も古くは赤と白のみで、15世紀のイギリスでは赤いバラと白いバラから「ばら戦争」が起こりました。特にヨーロッパで愛され、ギリシャ神話やローマ時代によく登場し、ナポレオンの妻ジョセフィーヌは250種のバラを収集し、改良に貢献したといわれています。
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