金子さんの草花の不思議発見第19回 カラスウリ 強風に耐える伸縮可能な蔓 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
前回に続き、蔓を持つ「カラスウリ」の話です。カラスウリの蔓は、茎ではなく葉の一部が蔓に変化したものです。蔓はゆっくり伸ばしながら巻き付く相手を探し、先端が相手に触れると、直ぐにらせん状に巻き付き、自分の体を支えます(この蔓を「巻き髭」という)。この巻き髭は、ばねのような伸縮自在のコイル状になっており、途中でねじれの向きを替えることで、強風にあおられ千切れないようになっています(写真右上)。
こうしたコイル状の蔓は、スズメウリ、オキナワスズメウリ、ニガウリ(写真左上)、アマチャヅル等、ウリ科に多く見られます。
カラスウリの名の由来は、実の鮮やかな赤色が、唐(中国)から伝わった朱墨(しゅぼく・朱色の墨)に似ているため、「唐の朱墨の瓜」つまり「唐朱瓜」(カラシュウリ→カラスウリ)と名付けられました。
最近、「オキナワスズメウリ」(写真下)を庭で育てているのをよく見かけます。果実が直径2〜3cmほどの球形で、赤や緑色のスイカ状の模様をして良く目立つ瓜の仲間です。本州に生育するスズメウリの果実は薄い黄白色であまり目立ちません。
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