金子さんの草花の不思議発見!第21回 アスナロ・サワラ・ヒノキ 白粉をつけたヒノキの仲間 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
ヒノキ科を代表するヒノキ、サワラ、アスナロは、葉の裏に白粉をつけたような美しい白の模様がはっきり出ています。その模様はそれぞれ形が違い、名前の識別に役立ちます。アスナロ(写真左)はWに、サワラ(写真中央)はⅩ(またはⅤ)に、ヒノキ(写真右)はYに似たように見えます。
この白い模様(線状)は「気孔条」(または気孔帯)といい、光合成や呼吸、蒸散等に必要な気体の出入口になります。ヒノキ科のような針葉樹は、乾燥に耐えるために水分の放出を抑えたり、カビなどの侵入を阻止するために、入り口周辺をワックス状に覆っているので、白く見えるのです。3種の違いの覚え方は、順にW・Ⅹ・Y(ア・サ・ヒ)と覚えると便利です。
アスナロは「明檜(あすひ)」と呼ばれ、「ナロ」はサワラのことで、似ています。枕草子にも「あすはひの木」と出ています。サワラ(椹)の葉はヒノキによく似ています。ヒノキ(檜)の材は芳香があり建築材に、樹皮は「檜皮(ひわだ)」といい、昔から屋根材に利用されてきました。
またヒノキは1200年経ている法隆寺の五重塔の心材に使われ、伊勢神宮20年の遷都の折の総ヒノキ材にも使われています。
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