金子さんの草花の不思議発見!第24回 シクラメン 歌「シクラメンのかほり」から新品種 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
12月に入ると正月用の花が店頭に飾られますが、その一つに「シクラメン」があります(写真上)。原産地は地中海沿岸で明治に入って日本へ導入され、和名「ブタノマンジュウ」と命名されました。欧米でもブタがこの球根を好んで食べることから、「ブタのパン」と呼ばれており、大航海時代には日持ちするため、食料として貴重な存在でした。
シクラメンの野生種は、開花後に花茎が1回転捩れて、輪(サイクル)をつくるので、ギリシャ語の「キクロス」(円、回る)、そしてラテン語の「キクラメン」が語源になっています。しかし今日の園芸種は捩れずに、下垂したままです。
20世紀にはいると、ヨーロッパでは大きな花が咲く品種改良が盛んに行われ、改良品は次第に香りがなくなってきました。この頃、布施明さんの歌「シクラメンのかほり」が大ヒットし、日本でもこの歌のような香りのよい品種に取り組み実現しました。ヒット曲から新しい品種が誕生した珍しい例となりました。
花が咲き終わると、恥ずかしそうに下を向いてしまうことから(写真下)、花言葉は「内気」とつけられました。花言葉のいわれは、「ソロモン王がこの花を王冠の装飾に使うと褒めたら、シクラメンが恥ずかしそうに俯いた」からです。
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