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金沢区・磯子区 コラム

公開日:2019.05.30

金子さんの草花の不思議発見!第29回 アカメガシワ
葉は「毛」で赤くなる!?
文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)

 「アカメガシワ」の新葉は鮮やかに赤く紅葉しているように見えます(写真右上)。しかしルーペ(虫眼鏡)でよく見ると、たくさんの細かい毛が表面に生えており、この毛が赤く染まっているのがわかります。葉自体の表面は赤ではなく緑色をしています。そして春から夏へと生長するにしたがい赤い毛は徐々に抜けていき、本来の緑色へと戻っていきます(写真左上)。



 この毛は、表皮の一部が変化したもので「トライコーム」といい、昆虫の食害から守るためで、まだ葉の柔らかい時期だけに見られる現象です。またこの毛は昆虫の足に絡みつき、皮膚を傷つけたり、弱らせたりする効果もあります。



 6〜7月に花弁のない淡黄色の花(雌雄異株)をたくさんつけます(写真下・雄花序)。



 この葉は「五菜葉」または「飯盛葉」といい、祭礼などで食べ物を盛る器に利用してきました。このことから名の由来は、新芽が赤いことと、「カシワ」は食べるときの器を意味しています。



 万葉集には「アカラカシハ」や「ヒサギ」(「ヒサ」はヒョウタンのことで、ヒョウタンの葉に似ている)で表現されています。

 

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