金子さんの草花の不思議発見!第30回 アジサイ アジサイに蝸牛は似合わない 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
梅雨時、雨に濡れた「アジサイ」(写真上)の花はひときわ引き立ちます。一般に「アジサイの葉にはカタツムリがよく似合う」と言われています。しかしアジサイの葉には有毒成分が含まれているので、カタツムリは食べることができません。むしろコンクリート塀やブロック塀を這う姿をよく見かけます。カタツムリは自分の殻の成分を補強するために、コンクリートからカルシウムを摂取する必要があるからです。
アジサイの語源は、藍色の花が集まっているところから、「集真藍」(あづさあい)の意味。アジサイの漢字は「紫陽花」ですが、これは誤りで中国では「ライラック」を指します。日本人が、中国の白楽天の詩にあった「紫陽花」をアジサイに充ててしまったからです。万葉集には「味狭藍」と「安治佐為」で2首表現されています。
花をよく見ると、一般に4枚の装飾花(花弁ではなく葉の変化したもの)は、向き合った2枚(対生状)がやや段差を持ってついています(写真右下)。これは大きな葉が十字状に対生でついているからで(写真左下)、装飾花も同じように十字状対生になるわけです。
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