区内の名木古木【6】 称名寺の「イチョウ」 恐竜も食べた?「銀杏」 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
黄葉する樹木の中で最も美しく、雄大な樹は「イチョウ」です。イチョウの祖先は、約2億年前地上に現れて以来、近代に入り中国で、その子孫が「生きた化石」として発見されました。日本では、万葉集(平安時代)には詠われていないので、それ以降に渡来したものと思われます。そのため鎌倉八幡宮の大イチョウ(2010年に倒壊)は、伝来初期の樹と考えられます。針葉樹・広葉樹と違った道を生き続けたイチョウ科の仲間は、太古の時代には全世界に分布していました。しかし今は全て化石となり、現在のイチョウ一種だけが生き残っています。
名の由来は、葉がカモの脚に似ていることから、漢名「鴨脚樹」(ヤーチャン樹)が訛って「イーチャオ」となりました。また、学名の「ギンキョウ」から「銀杏」(ギンナン)の名が生まれました。
葉の形を見ると、写真のように波形の部分に、切れ込みのある葉(右)と、切れ込みのない葉(左)とあります。古い時代の葉の化石は、切れ込みのある葉ばかりで、切れ込みのない葉はその後に出現した葉となります。新しく伸びた枝につく葉は全て切れ込みの多い葉で、恐竜も見たであろう化石の葉に似ています。
区内では称名寺(4株)、瀬戸神社、金龍禅院で名木古木に指定されており、また街路樹としても、一番多く植えられています。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>