横浜市金沢消防団の奥田利一副団長(67歳/洲崎町)がこのたび、40年に渡る団員としての活動が認められ、藍綬褒章を受章した。
生まれ育った洲崎町。祖父の代から3代続く建築業を営む傍ら、地元に根付いて地域を守ってきた。「夜中に飛び出すこともある中、家族や団員の支えがあってもらえた褒章」と喜ぶ。
4世代で地域守る
祖父、父に続き27歳で入団。「地域に認められた気分だった」と振り返る。所属分団の詰所がすぐそばだったため早々にカギを任され、火災時にはいち早く駆けつけた。最も印象的だったのが、入団間もなく発生した当時の関東学院大学寮3棟が焼けた大火。先頭で放水するも「その日は引き潮。川を掘って水を引いたが、ヘドロを吹いたのを覚えている」。電柱があぶられ、曲がる様も近くで見た。夕方に出火し、消火した頃には夜中12時を回っていたという。
消防団本部入りを機に、37年間ずっと守ってきたカギを次世代に託した。だが今も月1度の器具点検は、分団員からの声や地域の情報を得る機会として大切にしている。8年前には、地域をまわり火災警報器の普及に努めた。「火災件数が減っているが災害は多くなると思う。誰がどこに住んでいるか知る消防団の役割が必要になる」と訴える。
洲崎にあった消防署の本署から出動する消防車に憧れた少年時代。大正年間に、町民が一銭ずつ寄せて建てた火の見やぐらもあった。「洲崎は皆で何かしようという街なんです」と誇りを持つ。3世代で地元を守る背中を見てか、長男は消防の道に進んだ。「今後は若い人を育てていきたい」。消防団員の役目を全うする。
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