NPO法人こころの電話金沢の理事長を務める 若栗 恭子さん 金沢区釜利谷東 68歳
寄り添うボランティアを
○…電話相談、電話訪問、居宅訪問の3つの事業を行う「こころの電話金沢」。15年前に養成講座を受けスタッフに。今年20周年を迎えた団体の理事長を3年前から務める。「いつの時代も人と人の結びつきは大事。話を聞いたり顔を合わせたりすることで安心する」。「あなたのそばに私たちがいます―」。困っている人に寄り添い続ける。
○…秋田県出身。小学校の教諭だった母親の勧めで、幼少期からピアノを習った。音楽の道に進みたいと上京し音大に進学。卒業後は磯子区の横浜プリンスホテルの専属ピアニストに。子ども向け番組に出演し演奏を披露した経験も。メーカーからの依頼で児童の前で電子オルガンを演奏し楽器の普及に携わった。「音楽中心の生活は楽しくもあり充実していた」
○…26歳で結婚し金沢区に移り住んだ。27歳で長男を、翌年には次男を出産した。長男が2歳のころ、医師から障害があることを告げられた。これからどのように子育てをしたらよいのか―。「長男がピアノの音に反応してくれて。私には音楽しかないとも思って」。自宅で音楽教室を開いた。「教室は忙しい子育てを少し忘れさせてくれ、リラックスできた時間でもあった」。40年たった今でも音楽を教えている。
○…横浜障害児を守る連絡協議会で役員を務め、法人型地域活動ホームの立ち上げに携わるなど地域福祉に貢献してきた。14年前から釜利谷地区の小学校で週1回、本の読み聞かせボランティアを行っている。「人と接するのが好きなのかな」。高齢化が進む昨今、地域福祉の充実が求められていると感じている。「こころの電話は人材が減っていることが課題。育成にも力をいれていくのが私の仕事でもある」。人に寄り添い、いきいきとした地域づくりをめざす。