金子さんの草花の不思議発見!第37回ポインセチア 赤い部分は葉の一種 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇
クリスマスが近づくと、花屋に並ぶ一つに中央アメリカ原産の「ポインセチア」があります。ポインセチアの由来は、メキシコ原住民がこの樹液を解毒剤に使っていたため、アメリカ初代駐メキシコ大使ポインセットが祖国へ持ち帰り、新しい属名として「ポインセチア属」がつくられました。日本へは明治の中頃に渡来し、和名「猩々木」(しょうじょうぼく)で、赤い猩々(オラウータン)に例えられて名がつきました。
赤い花弁状は葉の一種の「苞葉」で、その中央にある黄緑色の小さく固まっている部分が本当の花です(写真下)。花には花弁がないので、この赤い苞葉がその役割を果たしています。この苞葉は花が咲き出すと、赤く色づいてきます
昭和30年代までは、切り花として利用してきましたが、水揚げが悪く、根腐れや寒さに弱く、栽培が難しい花でした。その後、西ドイツでいろいろと改良され、現在の品種の元ができ、現在では多様な色(赤、ピンク、濃赤、黄白色等)が生まれました。
大航海時代に、新大陸に移住した修道士が、ポインセチアの赤い葉を見て、キリストが処刑された時の血を表していることから、クリスマスに飾られるようになりました。
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