金子さんの草花の不思議発見!第48回 ノブドウ 多様な彩りを見せる果実 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇
林縁を覆っている、つる植物の中で、果実が赤、青、黄等美しい色を見せているのは「ノブドウ」です。
ノブドウはブドウ科のつる植物ですが、美しい実なのに食用には向いていません。果実には、ブドウタマバエの幼虫が寄生し、多様な色をします。同じ仲間のエビヅルやヤマブドウ(この周辺では生育していない)は、虫が寄生しないのでおいしく食べることができます。
ノブドウの巻きひげは葉と対生して伸びており、他物に巻き付き体を支えながら成長していきます。この巻きひげは各節(互生の葉が出ている部分)毎に着いており、ひげの先端は2つに分かれています。エビヅル巻きひげは2節つるが出て、1節休む(巻きひげが出ない)を繰り返して伸びていきます。
昔、ノブドウの茎を切り取り、一方から口で吹いて出てくる汁で、目に入ったゴミを取ったり、物もらい等の治療などに利用したといいます。また熊本では病魔除けに門口に飾る習慣があります。
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