金子さんの草花の不思議発見!第25回 フクジュソウ 暖房付きの部屋を持つ花 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
今年もよろしくお願いします。お正月に因んだ花の一つに「フクジュソウ」(福寿草)があります。花の色が鮮やかな黄金色のめでたい様子からこの名がつけられました。野生種はやや寒い地方の落葉樹林下に多く見られ、旧正月頃に開花するので、別名「元旦草」ともいわれています。また東北北部では「土からまず咲く」ことから「ツチマンサク」、アイヌでは「鮭の花」(鮭が遡行してくるころ咲く)、中国名は「金盞花(きんせんか)」と呼ばれています。
生育地が樹林下のため、樹木が葉を広げる前に花を咲かせ、種子をつくる代表的な早春の花です。まだ外は寒いので、虫たちも活動が鈍く、数も少ないため、花粉を運んでもらう工夫が必要です。フクジュソウの花は太陽に向って上向きに咲き、花の中央を窪ませたパラボラアンテナ状になって、太陽光を花の中央に集中させるので、花の中の温度は外温より5〜10℃高くなります。花には蜜がないけれど中が暖かく、虫たちは体を温め活動が活発化するので、花粉が体に着きやすくなります。
寒い地方では、土中から芽を出すとともに開花しますが(写真右)、暖かい地方では、茎や葉が伸びてから咲き出します(写真左)。
全草有毒のため、口にしないようご注意ください。
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