今春の確定申告の相談会場における3密回避に、税務署は頭を悩ませている。国税庁の方針にあわせ市内7税務署では、オンライン申告の推奨や会場での入場整理券配布などで混雑抑制をめざす。また例年、会場からのオンライン申告も多く、税務署はポスターやダイレクトメールなどで自宅からの申告の広報に力を入れる。
例年2月中旬から3月15日までを期間とする所得税等の確定申告。2019年分の申告人数は全国で約2204万人、その内、会社員などの給与所得者と年金受給者などの雑所得者が全体の7割を占め、確定申告は身近な存在となっている。
国税庁は以前から業務の効率化などを目的にオンライン申告「e―Tax」の普及を推進。マイナンバーカードまたは税務署で発行されるID・パスワードがあればオンライン申告が簡易になったこともあり、19年分ではオンライン申告が約1592万人と、全申告者の7割に上る。しかし、その内の3割が人との接触を伴う相談会場などからの申告となっている。
整理券で混雑抑制
横浜市内には鶴見・横浜中・保土ケ谷・横浜南・神奈川・戸塚・緑の7税務署があり、19年分の市内確定申告は約70万人。申告時期には横浜中と保土ケ谷の2署合同で桜木町の日石横浜ホールに相談会場を、また他の税務署でも署内に相談会場を設けている。税務署によると会場利用者数は正確に把握していないため開示できないとしているが、例年、各会場ともかなり密な状態だ。
そこで、各税務署では入場整理券の配布を予定。また、検温・消毒・こまめな換気・マスク着用の徹底など、感染防止対策を講じた上での開設を計画する。
12月に横浜中税務署=中区=で行われた国税モニター座談会では、コロナ禍の来場危険性の周知や、会場の空き情報発信などのアイデアが寄せられた。税務署の担当者は「感染リスクの軽減のためにも自宅からe―Taxで申告を」と話す。一方、中区で町内会長を務める80代の男性は「身近な会場があれば、来場者も分散し密にならないのでは」と話していた。
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