生涯学習として「食」に関する講座を開いてきた「食の文化を考える会」(田尻暉子代表)が、今年で30年を迎えた。毎年6、7回程度の連続講座を企画、魯山人に師事したことで知られる故平野雅章氏をはじめとした著名な専門家を講師に迎え、食の安全などを学ぶ場を提供してきた。
運営スタッフは、60代から70代の女性5人で、全員が中区在住の主婦たちだ。
設立のきっかけは、中区からの呼びかけによる。1983年に生涯学習の充実化をはかろうと緑化や子育てなど4つのテーマごとに団体が立ち上げられ、そのうちの一つが「食の文化を考える会」だった。
代表の田尻さん(74)は、発足当初、3年も続けば良いと考えていたが、遺伝子組換えや環境ホルモンなど「心配ごとがたくさん出てきた」と、気がつけば仲間とともに30年。同じテーマを継続する数少ない市民団体となった。今年は、食の安全に影響するといわれるTPP(環太平洋経済連携協定)も取り上げる。
年6、7回の連続講座は、座学を中心に農家などの見学会も。近年は中区海岸通の波止場会館を会場に参加者は毎回100人近く、年齢も40代から80代と幅広い。講師には、著書「脳はバカ、腸はかしこい」などで知られる東京医科歯科大の藤田紘一郎名誉教授や食文化研究家の魚柄仁之助氏など、著名人が多い。
充実した内容の一方で、参加者およびスタッフの高齢化が課題。同会では、子育て世代の参加促進のためにも、インターネットによる広報などを検討したいとしている。田尻代表は「若い人たちにも食に関わる問題を知るきっかけになれば」と話している。今年の講座は8月26日からの計7回。詳細は【電話】045・641・3321田尻さんへ。
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