中区の「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会」(杉江義夫会長)が11月14日で設立10周年を迎え、4日に記念イベント「初黄日トーク」が行われた。これまでの活動の経緯を振り返るとともに、将来の街づくりについて参加者たちが課題や展望を語り合った。
かつて250店を超える違法な飲食店や風俗店が軒を連ねていた初黄・日ノ出町地区。同地区のスタジオで行われた記念イベントには地域住民や行政関係者ら67人が参加。協議会設立発起人の一人で、当日講演した小林光政さんは「当時は治安も悪く、ごみも散乱し、児童がこのエリアを迂回して学校に通わなければならなかった」と振り返る。「とにかく何とかしなければ」と03年に地元有志数人で協議会を設立。中区をはじめ横浜市や県・国などに要望書を提出し続けた結果、05年11月に県警が通称「バイバイ作戦」を開始して違法風俗店は一斉摘発、閉鎖された。
その後、空洞化した街の再生をめざし、NPO法人「黄金町エリアマネジメントセンター」を08年に設立。アートによる持続可能な安全・安心な街づくりをめざし、アートイベント「黄金町バザール」など様々な取組みを進めている。
次の10年へ課題も
同協議会は、10年には国から「安全・安心なまちづくり関係功労者表彰」で内閣総理大臣賞を受賞するなど多数の評価を受け、同様の課題を抱える全国の自治体などからの視察も多い。
しかし、小林さんをはじめ、協議会のメンバーは「これで終わりと気を緩めたら、元の違法な店舗が戻ってきてしまう」と警鐘を鳴らす。
そこで、今回のイベントでは「この街の次の10年を考える出発点に」と参加者がグループごとに街の課題を語り合い、昔ながらの問屋街の活性化や交通の利便性の向上、野毛山や大岡川の活用など、様々なアイデアを出し合った。
中区など行政も街の活性化のために今後も支援を続ける。協議会副会長の谷口安利さんは「このエリアに住んでよかったとみんなが思えるよう、これからも住民主体のまちづくりを考え続けたい」と話した。
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