横浜市が市内の地域防災拠点を中心に2009年度から整備を進めている下水直結式の「災害用ハマッコトイレ」。中区ではこのほど、地域防災拠点全13カ所で整備が完了した。全防災拠点で整備されたのは18区で初めて。西区では今年度に3カ所整備、残りの4カ所も順次整備される予定だ。
通称「災害用ハマッコトイレ」は、プールなどの水を使って汚物を直接下水道に流す仕組み。
避難所のトイレは汚物があふれ、問題となるケースが多く、阪神淡路大震災以降、国はこの下水直結式の災害用トイレ普及を支援しており、すでに神戸市や熊本市などでは整備されているという。
市は、このトイレの有用性を認め、09年度から防災拠点など市内458カ所を対象に年約30カ所ずつ整備を進めており、15年度末時点で111カ所の工事が完了している。
中区では、今年度に山元小学校と仲尾台中学校で整備が完了し、全防災拠点に設置。また、同拠点ではないが、市立みなと赤十字病院にも今年度中に整備される計画だ。西区は宮谷・一本松・浅間台の3小学校が今年度の整備で、戸部・西前の2小学校、西・軽井沢の2中学校の計4カ所も、来年度以降に整備される。
ハマッコトイレは、埋設した下水道管のうえに5基の仮設トイレが設置できる。便器と下水管をつなぐ立管=写真=は、普段、直径50cm程度のマンホールで蓋がされており、使用時に開ける仕組み。仮設トイレは入口に段差のないすべて洋式のバリアフリー設計で、これら一式は各防災拠点の備蓄庫に保管されている。
想定では、約500回使用後に溜まった汚物をプールなどからくみ上げた800㍑の水で、直結する下水道本管に流す。
中区の地域防災拠点で最後に整備が完了した山元小では、10月の学校だよりなどで保護者と児童に周知。同校を避難所とする第6地区連合町内会防災担当の守屋孝さんは「災害時の水の有効利用という点で、プールの水を使うのはよい発想だと思う」と話していた。
同トイレの使用訓練などの運用は、地域住民にゆだねられている。
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