野毛地区で写真の現像などを行うレンタル暗室を運営するNPO法人「ザ・ダークルーム・インターナショナル」がこのほど、横浜市などが進める芸術創造特別支援事業「YokohamArtLife(ヨコハマートライフ)」の開催支援プロジェクトに認定された。市内各地を暗室などの機能を備えた自動車で巡り、市民がフォトアートの魅力を体験する事業などを予定。
芸術創造特別支援事業リーディング・プログラム「ヨコハマートライフ」は、芸術文化に関わる機会が少ない人たちへ芸術文化体験を届ける事業を想定しているプロジェクトの開催支援(助成金交付)を行うもの。横浜市と公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が昨年から展開している。今年は継続プロジェクトも含め10団体の公募があり5団体が選定された。
ダークルームが実施するのは、横浜市内の様々な場所でフォトアート体験を”配達”する事業。同プログラムは昨年から認定されており、今年は600万円の支援が決定した。事業名は「PHOTO CABIN2020」。暗室やギャラリー、ピンホールカメラの機能を備えた専用車で市内を巡り、各地の公園や商業施設などで気軽に現像などが体験できる。
昨年は、市内4カ所で写真の原理装置カメラ・オブスキュラの体験・制作や、フィルムカメラの撮影からフィルムを現像する体験などを実施した。ダークルームの代表理事を務める近藤宏光さんは「新型コロナの影響もあるので、リアルタイムで映像配信をするなど多くの人に届ける工夫をしていきたい」と話す。
ダークルームは、写真・動画撮影・編集を行う(有)ケイフォトサービス=南区=を経営するカメラマンの齋藤久夫さん=人物風土記で紹介=が、日本初の本格的なレンタル暗室として1999年に中区山下町で活動開始。カメラのデジタル化が進むなか、フィルム写真文化の衰退に危機感を持ち「写真の発祥の地横浜で、フィルム写真の文化を広めていきたい」と2004年にはNPO法人化。ヨコハマフォトフェスティバル等のイベントの開催や学校、企業でのワークショップを実施することで写真の「楽しさ」を伝えている。
近藤代表は「体験を通して多くの人に知っていただければ」と話す。ワークショップは10月から開始する予定となっているが、新型コロナウイルス感染症対策で前後する可能性もある。
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