中区の本町小学校の校庭から、明治時代に横浜瓦斯(ガス)会社によって造られたガス溜(タンク)の基礎一部が出土した。同校の児童数増加に伴う校舎増築工事の最中に発見されたもの。横浜市では一部を保管し、8月中を目途に栄区の埋蔵文化財センターで保存展示する。
出土した基礎はレンガ造りの円形で、直径約20m。本町小付近は、日本初の鉄道開業で横浜港の埋め立てに尽力したことでも知られる高島嘉右衛門により、横浜瓦斯会社が1872(明治5)年に日本で初めてガス事業を興した場所。ここで作られたガスが馬車道や本町通りに送られ、日本最初のガス灯に点火された。その後、同社は関東大震災で大きな被害を受けて移転し、敷地が小学校用地となった。
同校校庭の地中には、全部で4つのガスタンクの基礎が残っているとされている。1986年には2基の基礎部分が発見され、2002年には日本最古と推測される2本の鋳鉄製のガス管が発見された。横浜市では発掘のたびに記録を残したうえで埋め戻して遺構を保存。ガス管は中区にある横浜都市発展記念館で収蔵展示されている。
今回出土したのは、関東大震災時に唯一残っていた4号タンクの基礎部分。市では、同校の増築工事のため、発掘調査の終了後に一部を栄区にある埋蔵文化財センターで保管したうえで残りを撤去し、工事を再開する。
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